10年後はどうなる?
厚生年金の今と将来
10年後はどうなる?
厚生年金 10年後1万8000円目減り
月額、今年65歳の標準世帯
物価ほど伸びず 厚生労働省試算
厚生労働省は原則65歳から給付される厚生年金が物価上昇分を加味した場合にどれだけ目減りするかを試算した結果をまとめた。名目額は増えていくが、物価上昇分ほど増えないため、今年65歳(1944年生まれ)になる標準世帯の年金の実質的な価値は10年後に月1万8000円目減りする見通しだ。若い世代ほど目減りする金額は少ないが、本人が支払う保険料に対し、何倍の年金を受け取ることができるかを示す倍率は若い世代ほど低くなる。
厚生労働省は2月、先行き100年程度の公的年金の財政状況を把握する5年に一度の財政検証を実施。試算はその一環である。
試算によると、今年65歳の標準世帯(夫は40年間会社員、妻は専業主婦)の年金額は現時点で月22万3000円。10年後の75歳時点では23万2000円に増える。ただ現行の年金制度では、年金額を自動的に抑える「マクロ経済スライド」という仕組みがこれから入る予定で、年金額の伸び率は物価上昇率よりも低くなる。
75歳時点の年金額を物価上昇分を考慮して実質的な価値に換算すると、月20万5000円。65歳時点に比べて1万8000円目減りする。さらに85歳時点では月19万9000円と、2万4000円減価する計算だ。
既に年金を受け取っている世代の給付を抑えるのは、現役世代の保険料の上昇を一定限度に抑えるためだ。若い世代ほど実質年金額の目減りは少なく、例えば、今年55歳(1954年生まれ)の世帯では、65歳から10年後の目減り額は、月1万2000円にとどまる。
