退職金と企業年金
企業年金について
退職金と企業年金
わが国における退職給付制度の源流は、江戸時代の商家で使用人の独立時などに行われた「のれん分け」にあるといわれています。明治期以降、熟練労働者の足止め策の一つとして定年退職時に一時金を支給する退職一時金制度が普及・慣行化していきました。しかし、戦後の高度経済成長に伴い退職者数・退職金額が急速に増加したことにより、退職金の支払負担を平準化することが企業経営上の課題として注目されるようになりました。このような状況を背景に、昭和37年に法人税法および所得税法に基づく税制適格退職年金制度が、昭和40年に厚生年金保険法に基づく厚生年金基金制度が創設されました。
こうした制度が中心となり、企業の従業員の老後の所得保障に大きな役割を果たしてきましたが、少子高齢化の進展および経済運用環境の低迷等、わが国の企業年金を取り巻く情勢が大きく変動しているなか、適格退職年金など厚生年金基金以外の制度についても、受給権保護等の仕組みの確立した安定かつ信頼のある制度に整備することが急務となりました。また、中小企業への制度の普及、産業構造および雇用形態の流動化等にも対応を迫られていました。
そこで、こうした状況をかんがみ、確定給付企業年金法および確定拠出年金法の2法が平成13年にそれぞれ制定され、企業年金を実施する企業の選択肢は大きく広がりました。また、平成16年年金制度改正によって、企業年金の通算措置の充実が図られ、平成17年10月より、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金および企業年金連合会の間で、個人の年金資産の持ち運びの選択肢が拡大されました。企業の従業員の老後生活を支える企業年金制度の役割はますます重要性を増しているといえます。
